キャブ?
2回目です。
またスノーボードの話です。
スノーボードのトリックの接頭辞に「キャブ」がつくことがあります。
これは意味としてはスイッチエントリーをするトリックのうち、
フロントサイド方向へのスピンを伴うものを表します。
キャブダブルコーク1440ならば
スイッチエントリーのフロントサイド方向へスピンをするダブルコークスクリュー
ということになります。
ここまでは知っている方が多いと思います。
じゃあなぜキャブと言うのでしょう。
元々はスケートボードのトリック、キャバレリアル(Caballerial)からきています。
スケートのキャバレリアルはフェイキーですべりつつ
フロントサイド方向へ360度回転するトリックです。
略してキャブと言います。
この時180度しか回転しないバージョンをハーフキャブと言います。
半分しか回転しないのでハーフです。
スノーボードではフェイキー=スイッチであることはすでに前回示しているので、
スイッチでフロントサイド方向にスピンすればキャバレリアル、
もしくはハーフキャブとなります。
ただしこれでは水平方向への回転しかしていません。
最初に例を示したダブルコークは縦横どちらにもスピンする
3Dトリックですので、キャブではありません。
これがどういうわけかキャブという言葉が
(まだ詳しく調べられていません)
スイッチフロントサイド方向への回転を伴うトリックの接頭辞として
使われるようになったのです。
さらにキャバレリアル自身もスノーボードでは
さらに回転数が多くなった場合に
その回転角を併記することになっています。
スノーボードのスイッチフロントサイドスピンのうち
180はスケートと同じでハーフキャブ
360はキャバレリアルと呼ばれることはまれで、
単にキャブ、まれにキャブ360と言われます
(360こそがキャバレリアルなので厳密に言えば回転角は不要です)
540以上は、キャブ540などと数字が180度ずつ増えていくだけです。
さて、「キャブ」がなんなのかはもうほぼ理解していただけたと思いますが、
さらに突っ込んでキャバレリアルはなぜキャバレリアルなのか、
ということについて説明します。
これは開発者の名前です。
スケートボーダーのスティーブ・キャバレロという人が開発したトリックなので
スケートのフェイキーフロントサイド360をキャバレリアルと言うのです。
VANSのスケートシューズに、彼のシグネチャーモデルとして
ハーフキャブというものがあるほど、有名なトリック、ライダーであると言えます。